徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

群馬大医学部の服部教授の承認欲求

 群馬大学医学部の24人の学生が、たった一人の教授の授業で単位を落としたことが原因で留年したとのことだ。しかもこの授業、医療倫理とか何とか大層な名前がついてるそうだが、学生に即興の演技をやらせ、それを教授が評価して気にいるかどうかで単位が貰えるかが決まるらしい。

 ペーパーテストと違って対策が難しいし、いわゆる「コミュニケーション能力」に自信のない人にとってはハラスメント以外の何物でもないだろう。対策の立てようがないのだから。そういった大人しめの学生を槍玉に上げて、押さえつけることによって、所謂パリピ寄りのリア充の学生に媚びて、おこぼれを貰おうとでも思っていたのだろう。

 判断基準が曖昧なテストを課せば、自然と学生は教授に忖度して媚びるようになる。もしかしたら女子学生が単位を貰うためにミニスカートで自分の部屋を訪ねてくれるかも知れない。医療倫理とかいう自分の好き勝手を適当に喋っていれば仕事をしたことになる授業で若い学生からそれほどヨイショして貰えるのだから、教授にとっては承認欲求を満たすまたとないチャンスだろう。採点してる瞬間は、アイドルや俳優のオーディションを審査してるような気分で、さぞかし気持ちよかっただろう。それが服部教授にとっての自己実現であり、生きがいでもあっかも知れない。いずれにせよ、側からみていて気色悪いことに変わりはないが。

 卒業生の中にはこのアカハラ教授を擁護する声も多いそうだ。「気難しいけど、面白い先生」だとか。最悪の教授だろう。要するに気分屋で、学生のウケを狙うことが生きがいの信念も何もない人間ということだ。そもそもルドルフ・シュタイナーは、優れた教師とは空気のような存在だと言っている。「気難しくて、面白い」などと学生に強く印象付けられてる時点でもう教育者として失格なのだ。学生ではなく自分が主人公だと思っている。奇抜なことがしたくてしょうがない。そしてそんな教授に「媚びて」貰える安全な立場にいるパリピリア充からしてみれば、大人しい人から単位を剥奪する面白い「見せ物」であるかも知れない。しかしそれは、いじめに加担してリア充に媚びる教師と同じで、教育者失格なのである。

 そもそも医療倫理なんか担当してて恥ずかしくないのだろうか。失敗が許されない外科の臨床医とか、何例もの患者を診てきた精神科医を経験してきたわけでもないそうだ。そんな気楽な立場にあり続けた医者かどうかも怪しい人間が、承認欲求を満たすために即興演技を学生に課すというハラスメントを堂々と行い、奇抜な人間として記憶に残して貰うことを生きがいにする…こうしてつらつら書いてるだけでも哀れになってくるが、日本にはこの手の勘違いジジイがそこかしらに溢れているのだ。こういう人間の醜い心理は一つ残らず白日の元に晒されて然るべきなのである。