徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

シュタイナーの輪廻転生論~ギルガメシュとエアバニ⇔アレクサンドロスとアリストテレス~

今回からシュタイナーの輪廻転生論に登場する、歴史上の登場人物についてまとめていく。セネカに言わせれば、こうした細かい知識についての探究は頭の体操にはなっても叡智に結びつくものではないらしいが、いかんせんセネカの倫理書簡集の訳が終わってから…

シュタイナーの輪廻転生論 歴史上の人物まとめ

ルドルフ・シュタイナーの著作や講演における輪廻転生論に登場する、歴史上の登場人物についてまとめていく。それぞれの詳細については各人物のリンク先を参照されたい。 ・ギルガメシュとエアバニ⇔アレクサンドロスとアリストテレス ・ヒュパティア ランキ…

セネカ 倫理書簡集 目次【全文無料】

資料 ・ラテン語原文・目次(wikisource) ・翻訳元英訳・目次(wikisource) 目次 書簡1 自分の時間を守ることについて 書簡2 読書における散漫について 書簡3 真の友情と偽の友情について 書簡4 死の恐怖について 書簡5 哲学者がとるべき立場について…

セネカ 倫理書簡124 理性により得られる真の善について

1. 私は君に、沢山の古の教えを伝えることができる、 もし君が逃げることなく、そんな些細な教えでも学ぶことを恥じと思わなければ*1。 しかし君は逃げることも、細かな議論に後ずさりすることもありません。というのも、君の優れた精神は、そのような重要な…

セネカ 倫理書簡123 快楽と美徳の争いについて

1. 僕は夜遅くにアルバ*1にある別荘に到着した時、長旅というよりも旅の不快さのせいで疲れ果てていました。そして用意されていたのは、僕自身だけでした*2。そこで僕は寝台に横たわって疲れを取り除いたのですが、料理人とパン職人〔による食事の準備〕が遅…

セネカ 倫理書簡122 悪徳の覆いとしての暗闇について

1. 昼の時間が減ってきました*1。それはすでにかなり短くなりましたが、それでも日の出と共に起床すれば、十分に時間に余裕はあります。勤勉でより善き人間ほど、朝日を待ち望み、夜明けを歓迎します。しかし恥ずべき人間は、日が高く昇るまで眠りこけ、正午…

セネカ 倫理書簡121 動物の本能について

1. われわれが長い間考え続けてきたこの小さな問題について、今日たっぷり時間をかけて説明するとしたら、君が訴訟を起こすであろうことは、僕は分かっています。君は叫びます。「こんなことが道徳〔人格〕と何の関係があるのでしょう?」好きなだけそう言っ…

セネカ 倫理書簡120 さらに美徳について

1. 君の手紙はいくつかの小さな問題の中を歩き回って、最終的には次の問題についてだけ説明するよう求めました。すなわち、「何が善であり、何が立派なことであるかという理解を、われわれはどのようにして得るのでしょうか?」他の学派*1の見解では、この両…

セネカ 倫理書簡119 われわれの最善の供与者としての自然について

1. 僕が何かを発見した時はいつでも、君が「山分けにしましょう!」と言うまで待ったりはしません。君のために僕は自分からそう言いましょう。僕が発見したものが何かを知りたければ、財布を広げて下さい。丸儲けです。僕が君に教えるのは、どうすれば速やか…

セネカ 倫理書簡118 高い地位を求めることの虚しさについて

1. 君は僕に、もっと頻繁に手紙を書くよう求めています。しかし収支を比較すると、君はまだ借りている側です。確か君の側が先で、君が手紙を書いて、それに僕がお返事をするという約束を結んでいたはずです。とはいえ別に僕はかまいません。君は信用して大丈…

セネカ 倫理書簡117 論理の巧妙さ以上に優れた真の倫理について

1. 君はそのように巧妙な問題を提起することで、大変な厄介事を持ち込み、知らず知らずの内に僕を論争と苦悩に巻き込むのでしょう。というのも、それらを解決するために、僕がストア派の仲間たちと意見を異にすれば、彼らに対して申し訳が立たないし、かとい…

セネカ 倫理書簡116 感情の制御について

1. 感情は適度に持つ方がよいのか、それとも全く持たない方がよいのかという問題が、これまでもしばしば論じられてきました。われわれ(ストア派)の学派に属する哲学者は感情を排除し、ペリパトス派はそれを抑制します。しかし僕としては、中途半端に病気であ…

セネカ 倫理書簡115 表面的な幸福について

1. ルキリウス君、僕は君が、言葉や構文について必要以上に拘ることを望みません。君がより配慮すべき、もっと大切なことがあります。追及すべきは、どう書くかではなく、何を書くかであり、この書くということにおいてさえ、目的は書くことではなく考えるこ…

セネカ 倫理書簡114 性格を表す鏡としての文体について

1. 君がお尋ねのことは、なぜある時代に堕落した文体が生じるか、またどのようにして才能ある人々が悪趣味(な文体)へと落ち込み、ある時は大げさな表現が、ある時は気取った表現が、ある時は歌のような調子の表現が広まるのかについてです。あるいは、なぜあ…

セネカ 倫理書簡113 魂とその属性の生物性について

1. 君は、われわれの学派で議論されている問題、つまり、正義や勇敢や賢慮、その他の美徳は生き物であるか、について僕の意見を手紙に書くことをお望みです。愛するルキリウス君、このような緻密な議論によってわれわれは、無益な事柄に知恵を絞り、不毛な議…

セネカ 倫理書簡112 凝り固まった悪徳の改善について

1. 君の友人が、君の望む通りに改善され、教化されることを僕も心から願っています。しかし、彼は非常に凝り固まった状態にあり、そして一層厄介なことに、悪徳の習慣により(善き精神が)崩れて、非常に軟弱な状態に陥っています。 僕は自分が取り組んでいる…

セネカ 倫理書簡111 頭の体操の空虚さについて

1. ギリシャ語の「σόφισματαソピスマタ(詭弁)」をラテン語では何と言うのかと、君はお尋ねです。多くの人々がこの言葉の定義をラテン語で決めようとしましたが、定着したものはありません。その概念自体われわれが一般的に受け入れ、用いたものではないの…

セネカ 倫理書簡110 真の富と偽の富について

1. ノメントゥム*1の別荘から君に挨拶を送ると共に、君が善き精神を保つことを願います。つまりは、全ての神々の好意を得て下さい。というのも、神々が祝福と恩恵を授けるのは、自分で自分自身に好意を持つことができる人だからです。或る人々が信じているこ…

セネカ 倫理書簡109 賢者と賢者の交友について

1. 賢者は賢者の役に立つのかどうかを知りたいと君はお望みです。というのも、われわれ(ストア派)は、賢者はあらゆる善を多分に備えており、完全の域に達していると主張するので、最高善を有する人に、誰がどのように役立つことができるのか、という疑問が生…

セネカ 倫理書簡108 哲学への取り組みについて

1. 君がお尋ねのことは、それを知ることが単に知ることだけに関係するような問題の一つです*1。それなのに、関係しているがために、君は先を急ぎ、僕が今君のために執筆している、倫理哲学の部門全体をまとめた本を待とうとはしません。僕はその本をすぐにで…

セネカ 倫理書簡107 宇宙の意志に従うことについて

1. 君のいつもの賢明さはどこに行ったのでしょう?物事を見極める鋭敏さはどこに?魂の偉大さはどこに?そんな些細なことに苦しめられたのですか?奴隷たちは、君が用務で忙しくしている時が、逃亡の好機だと思ったのです。さて、もし君の友人たちが君を欺い…

セネカ 倫理書簡106 美徳の実体性について

1. お手紙への返事が遅れたのは、僕が何かに忙殺されていたからではありません。そうした言い訳には耳を貸さないで下さい。僕には時間がありますし、その気になれば誰でも時間を作れます。用事に追われる人などいません。自分から用事に巻き込まれて、忙しい…

セネカ 倫理書簡105 自信をもって世界に対処することについて

1. より安全に暮らすために、君が注意すべきことをお教えしましょう。しかしこれは、あたかも君がアルデア*1の土地で健康を守るためにすべきことについての忠告のように思って聞いて欲しいと思います。 他者を害するよう人を駆り立てるものは何かについて、…

セネカ 倫理書簡104 健康への配慮と心の平静について

1. 僕はノメントゥム*1の別荘に逃れたのですが、それはなぜだと思いますか?都会から逃れるためでしょうか?いいえ、熱病、それも確実に忍び寄ってくる熱病から逃れるためでした。それは既に僕を捉えていました。医者は僕に、脈拍が乱れて不規則になり、自然…

セネカ 倫理書簡103 俗人と交わることの危険性について

1. 君の身に起こるかも知れないけれど、実際には起こらないかも知れないことを、どうして思い悩むのですか?つまりは火事や、建物の倒壊、その他の様々な出来事は、われわれを待ち伏せているのではなく、単に偶然に起こるだけです。それよりもむしろ、われわ…

セネカ 倫理書簡102 不死を教えてくれるものについて

1. 楽しい夢を見ている人を起こす人は迷惑なものです。夢ではあっても、現実のように思えていた楽しみを奪うのですから。それと同じように、君の手紙は僕を害しました。というのも、心地よい思索に没頭し、さらにその先に進もうとしていた僕を、不意に呼び戻…

セネカ 倫理書簡101 将来の計画を立てることの無益さについて

1. 毎日毎時が、われわれがいかに無力な存在かを思い知らせてくれますし、われわれが自身の儚さを忘れていることを、何らかの新たな証拠によって思い出させてくれます。そして、われわれが永遠を期待する時には、死を振り返るよう強要します*1。 この前置き…

セネカ 倫理書簡100 ファビアヌスの書物について

1. お手紙によると、君はファビアヌス・パピリウス*1の「市民の義務について」という書物をたいへん熱心に読んだものの、それは君の期待に応えるものではなかったとして、彼が哲学者であることも忘れて、その文体を非難し始めています。 君の言う通り、彼は…

セネカ 倫理書簡99 肉親を失った人への慰めについて

1. 僕はマルッスス*1が幼い息子を亡くし、女性のように嘆き悲しんでいると聞いて彼に書き送った手紙の写しを君に送ります。その手紙では僕は通常の慰め方には従いませんでした。というのも、僕は彼が優しく扱われるべきではなく、彼に必要なのは慰めよりも叱…

セネカ 倫理書簡98 運命の気まぐれについて

1. 幸運に依存する人が幸福である、などと君は決して信じてはなりません!外から入って来たものを喜ぶ人は壊れやすいものに寄りかかっているのであり、そうした喜びはいつかは出て行きます。しかし、自分自身の内側から生じる喜びは真実な確固たるものであり…