徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

セネカ 倫理書簡21 僕の手紙が君にもたらす栄誉について

1. 君がくれた手紙に書かれているような人達は、問題の多い連中だと考えているのですか?最も大きな問題は君自身の中にあります。君がつまづく原因もそうです。君は自分が何を望んでいるかも知りません。正しい道を承認はしていても、それに従うことはありま…

セネカ 倫理書簡20 教えとその実践について

1. 君が健全に過ごし、自分をいつかは自分自身の指導者になるに値すると見做しているなら、僕は嬉しく思います。というのも、君が打ちのめされている、抜け出すことの叶わない洪水から君を引きあげることができたなら、それは僕の功績になりますから。しかし…

セネカ 倫理書簡19 世俗の生活からの引退について

1. 君からの手紙を貰う度、僕は胸が希望で満たされ、とても大きな喜びを抱きます。そして今やそれは君に関しての単なる保証ではなく、確証になっています。そして君が、次のように進歩するようお願いするし、祈りもします。とういのも、友人のために祈ること…

セネカ 倫理書簡18 祭日と少食について

1. 十二月になりましたが、街は汗だくです*1。贅沢なお祭り騒ぎの許可が公布されましたから。まるでサトゥルナリア祭が通常の仕事の日とはまったく異なるものであるかのように、人々は大掛かりな準備で沸き返っています*2。しかし実際は、何ら異なるものでは…

セネカ 倫理書簡17 哲学と富について

1. もし君が賢明でありたいなら、そんなものは全て投げ捨てて下さい。というよりむしろ、賢明になるために、健全な精神に向かって全速力で、全力で努力して下さい。何らかの束縛が君を妨害するというのなら、それをほどくか、断ち切って下さい。「しかし」君…

セネカ 倫理書簡16 哲学—人生の導き手—について

1. ルキリウス君、君もよく分っているように、英知を学ぶことなしには、幸福に生きることはおろか、生きることに我慢することもできません。君はまた、幸福な生は、英知が完成した時に達成されることも知っています。しかもそれは、始めたばかりであっても、…

セネカ 倫理書簡15 筋肉と頭脳について

1. 古いローマ人の習わしで、今も続いているものがあります。手紙の冒頭に、「ご健勝にてお過ごしのこと慶び申し上げます。当方も元気です」と付け加えるものです。われわれなら、こう言うのがよいでしょう。「哲学に精進のこと慶び申し上げます」これこそが…

セネカ 倫理書簡14 世間から身を引く理由について

1. 実を言うとわれわれはみな、自分の肉体に対して生まれついての愛着を持ち、その世話を任せられています。僕は、肉体は決して甘やかされてはならないと言ってる訳ではありません。しかし、われわれは肉体の奴隷になってはなりません*1。肉体の欲求のために…

セネカ 倫理書簡13 根拠のない恐怖について

1. 君が優れた精神をもっていることを僕は知っています。というのも、困難を克服するための健全で力強い教えを身に着けるより前から、君は誇りをもって運命と戦っていました。そして、運命と組み合って自分自身の力を試してる今、それはいっそうの真実です。…