徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

セネカ 倫理書簡65 原因について

1. 僕は昨日一日を病気*1と分かち合いました。病は一日の午前を自分のものとしましたが、午後には僕に譲りました。それから、僕はまず読書によって自分の精神を試しました。そして、読書に耐えうることが分かると、僕は思い切って精神にもっと多くを要求し―—…

セネカ 倫理書簡64 哲学者の仕事について

1. 昨日君は、われわれと一緒でした。「昨日」だけと言ったら、君は不満に思ったかも知れません。ですから僕は、「われわれと」を付け加えたのです。僕とのことであれば、君はいつも僕と一緒にいますから。幾人かの友人が現れ、彼らのために普段よりいくらか…

セネカ 倫理書簡63 友を失った悲しみについて

1. 君の友人のフラックスが亡くなったことを残念に思います。しかし僕は君が、必要以上に悲嘆に暮れることを望みません。君が全く悲しむべきではないとは申しませんが、もっと善いやり方があります。しかし、そのような強固な不動心は、運命の支配をはるかに…

セネカ 倫理書簡62 善き交わりについて

1. われわれは、多くの仕事が自由な学問研究を妨げると信じ込ませようとする連中に騙されています。彼らは自分の仕事を偽り、それを増やし、自分で自分を忙しくしています。僕はといえば、ルキリウス君、時間は自由に扱っています。本当に、自由なのです。僕…

セネカ 倫理書簡61 喜んで死を迎えることについて

1. われわれがこれまで願ってきたことを、望むのを止めようではありませんか。少なくとも僕は、次のようにしています。すなわち、僕は老年時代には少年時代と同じことを望むのは止めました。このただ一つの目的のために僕の毎日毎夜は過ぎ、これが僕の仕事で…

セネカ 倫理書簡60 災いの祈りについて

1. 僕は苦情を申し上げ、訴状を起こし、怒りを立てます。君の乳母が、先生が、母親が君に願っていたことを、君は今も望むのですか?彼らがどんな災いを願っていたか、君はいまだに理解しないのですか*1?ああ、われわれの親族が願うことは、われわれにどれほ…

セネカ 倫理書簡59 快楽と喜びについて

1. 君の手紙は僕に大きな快楽*1をもたらしました。ストア派的な意味ではなく、通常の意味でこの言葉を使うことをお許し下さい。というのも、われわれストア派は快楽を悪と考えていますから。確かにそうかも知れません。しかし、心が楽しい状態にあることを表…

セネカ 倫理書簡58 存在について

1. われわれが使っている言葉の語彙がどれほど乏しいか、いえ、貧窮しているかを、僕は今日ほどはっきりと思い知らされた日はありませんでした*1。僕たちはたまたまプラトンについて話していて、沢山の議題が挙がったのですが、それらの議題は名称を必要とし…