徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

人間関係

セネカ 倫理書簡19 世俗の生活からの引退について

1. 君からの手紙を貰う度、僕は胸が希望で満たされ、とても大きな喜びを抱きます。そして今やそれは君に関しての単なる保証ではなく、確証になっています。そして君が、次のように進歩するようお願いするし、祈りもします。とういのも、友人のために祈ること…

セネカ 倫理書簡18 祭日と少食について

1. 十二月になりましたが、街は汗だくです*1。贅沢なお祭り騒ぎの許可が公布されましたから。まるでサトゥルナリア祭が通常の仕事の日とはまったく異なるものであるかのように、人々は大掛かりな準備で沸き返っています*2。しかし実際は、何ら異なるものでは…

セネカ 倫理書簡14 世間から身を引く理由について

1. 実を言うとわれわれはみな、自分の肉体に対して生まれついての愛着を持ち、その世話を任せられています。僕は、肉体は決して甘やかされてはならないと言ってる訳ではありません。しかし、われわれは肉体の奴隷になってはなりません*1。肉体の欲求のために…

セネカ 倫理書簡10 一人で生きることについて

1. 僕は自分の意見を変える気はさらさらありません。大勢を避け、少数を避け、一人でいることも避けて下さい。君が喜んで時間を分かち合いたいと思えるような人を、僕は知りません。そして、僕が君に関してどんな意見を持ってるかというと、僕は思い切って君…

セネカ 倫理書簡9 哲学と友情について

1. 君はエピクロスが友人に宛てたある手紙の中で、賢者は自給自足しており、そのために友人を必要としないと考える人々を非難したことが、正しいのかどうか知りたがっています。これはスティルボン*1や、最高善は無感動の魂にあると信じる人々に対して、エピ…

セネカ 倫理書簡8 哲学者の隠棲について

1. 君はおっしゃるでしょう。「あなたは私に、群衆を避け、人々の間から退き、自分自身の良心に満足するよう命じますが、活発な仕事の最中に死ぬことを命ずるあなたがたの教えは、どこにいったのでしょう?」僕が君に時おり奨めているような道のとおりに、僕…

セネカ 倫理書簡7 大衆について

1. 君がとりわけ避けるべきものはなにかとお尋ねですか?それは大衆です。君はまだ、彼らと共にある時、自分自身を信頼することができません。少なくとも僕自身、自分の弱さを認めています。僕は家を出た時と同じ心持ちで、家に帰ることが決してできません。…

セネカ 倫理書簡6 知識を分かち合うことについて

1. ルキリウス君、僕は自分が改良されてるだけでなく、全く変革されていくのを実感してます。しかし、僕は未だに、自分の中に改善すべき点は何も残っていない、などと、自分に保証したり、またそんな希望を抱くことはありません。当然のこととして、より削ぎ…

セネカ 倫理書簡3 真の友情と偽の友情について

1. 君は「友人」と君が呼ぶ人に手紙を託し、僕に届けさせました。しかし君はまさにその手紙の中で、僕に彼と君に関するどんなことについても話し合ったりしないようにと書きました。君も普段そんなことはしないから、と。これはつまり、同じ手紙の中で、彼を…

セネカ 倫理書簡1 自分の時間を守ることについて

1. 親愛なるルキリウス君、君はそのように続けるとよいでしょう―—自分自身の目的のために自分を自由にし、今までに君から強奪されたり、くすね取られたり、あるいは君の手からこぼれ落ちてしまった時間を拾い集め、しっかりと守ることをです。次の僕の言葉を…