徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

セネカ 倫理書簡101 将来の計画を立てることの無益さについて

1. 毎日毎時が、われわれがいかに無力な存在かを思い知らせてくれますし、われわれが自身の儚さを忘れていることを、何らかの新たな証拠によって思い出させてくれます。そして、われわれが永遠を期待する時には、死を振り返るよう強要します*1。 この前置き…

セネカ 倫理書簡100 ファビアヌスの書物について

1. お手紙によると、君はファビアヌス・パピリウス*1の「市民の義務について」という書物をたいへん熱心に読んだものの、それは君の期待に応えるものではなかったとして、彼が哲学者であることも忘れて、その文体を非難し始めています。 君の言う通り、彼は…

セネカ 倫理書簡99 肉親を失った人への慰めについて

1. 僕はマルッスス*1が幼い息子を亡くし、女性のように嘆き悲しんでいると聞いて彼に書き送った手紙の写しを君に送ります。その手紙では僕は通常の慰め方には従いませんでした。というのも、僕は彼が優しく扱われるべきではなく、彼に必要なのは慰めよりも叱…