徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

少し真剣に「パワハラ」について考えてみる

・大パワハラ時代

 ここ10年くらいで、「パワハラ」が非常に流行ってきたように感じる。いや、昔から似たようなものは沢山あって、それが言語化されるようになって、過剰に認識されてきたのかも知れない。戦前の日本や、中東やアフリカの事情と比べると、今の日本で行われているパワハラなんて、かわいいものなのかも知れない。もしかしたら。

 それも分かった上で、沢山の自殺者や、過労死する人達、欝病になる人達を生み出しているこの「パワハラの時代」について記事を書きたい。書いた所で、今パワハラに苦しむ人達が救われる訳ではないかも知れない。それでも「認識」することに意味があるといったルドルフ・シュタイナーの言葉を信じ、自由になるために、僕は記事を書く。

 

パワハラ長時間労働(労働の分配のアンバランス)

 まず、パワハラと労働時間の関係について書いていく。パワハラに悩む人達の多くは、長時間労働にも悩んでいるだろう。まあ、当たり前といえば当たり前だ。パワハラを受ける人は職場内で立場が弱く、余計な雑用や面倒な仕事を押し付けられることが多い。中には、単なる上司の思いつきに過ぎない、何の役にも立たない罰ゲームのような雑用をやらされることもある。こういった「罰ゲーム雑用」を押し付ける上司の多くは、「指導のため」とか「勉強」のため、といい、決して自分のパワハラを認めようとしない。それどころか、自分を立派な人間だと本気で思い込んでいるのだ。

 こうした雑用や手間のかかる仕事をおしつけられた人の多くは、必然的に仕事時間が長くなる。そして、仕事時間が長くなると、肉体的・精神的疲労が溜まり、ミスも多くなる。そしてそのミスをカバーするために、更に労働時間が増える。そうしてボロボロになった部下を見て、多くのパワハラ上司はほくそ笑む。そして、「あいつはミスが多い無能だ」「クビにしろ」「減給しろ」といったことを周囲に吹聴し、退職や自殺に追い込む。もし自分で死ななければ、過労による心臓疾患や脳血管疾患により死亡するまで、仕事を押し付けるだろう。それが「クラッシャー上司」と俗に言われている人達であり、この人達は見かけは「仕事熱心」であったり、「仕事が出来る」と思われている。しかしこれらの「クラッシャー上司」は決して仕事が出来る訳でも、仕事熱心でもない。そのカラクリを以下に示す。

・「雑談・お喋り」をして残業代を稼ぐ「仕事熱心」な人達

 僕が見てきたパワハラ上司達は、一人の例外もなく業務時間中に雑談を平気でする。しかもその内容は、旅行や食べ物の話、ひどい時は、会社の人の下世話な陰口・悪口・噂話だったりと、極めて醜悪なものが多い。そしてその人達はことあるごとに「仕事が忙しい」「今月は○○時間も残業した」などと、よく働いてるアピールをする。その傍らで、若く真面目な人達が、低い賃金で業務時間中に目いっぱい仕事しても終わらずに、やむを得ず残業したり、休日出勤したりなんてこともザラだ。若い人達の真面目な残業よりも、老害の雑談の方が遥かに時給が高いというのが日本社会だ。そしてこの老害上司達は、真面目に働いて疲れ切っている若い人達に、「もう帰るのか」などと平気で暴言を吐く。そうして若い人達は追い詰められ、過労死や過労自殺をする。もし良心的な会社が今後の日本に残るのであれば、残業時間中の雑談は「パワハラ」の一つと見なされるであろう。

 

・「リア充」「美人」に媚びるパワハラ上司

  さて、いじめに加担する学校教師と同じく、パワハラ上司は職場の「リア充」や「美人」に媚び、彼等のことは非常に高く評価し、逆に非リア寄りであったり、大人しい人には、物凄く高圧的な態度をとったり、雑用を押し付けたり、陰口・悪口を言ったりする。これも、僕が見てきた全てのパワハラ上司に共通する性質だ。いじめに加担する学校教師は、「リア充」や「美人」に媚びることで、自分もその「おこぼれ」が貰えることを期待して嬉々としていじめに加担し、生徒を不登校や自殺に追い込んだりする。こうした学校教師の多くは若い女子生徒を虎視眈々と狙っており、その若い女子生徒に「自分は強いオスである」ということをアピールするために、気の弱そうな生徒を苛めぬく。パワハラ上司もこれと同じで、気の弱そうな部下や大人しそうな部下を苛めぬくことで、若い女子社員に「自分は強いオスである」とアピールする。ちなみにこれは、年齢や既婚、未婚を問わない。40代だろうが50代だろうが、若い女子社員にチヤホヤされる権利があると、本気で思い込んでいる中年は沢山いる。

 

フェミニズムの台頭、女性の社会進出によるパワハラの加速 

 さて、上の話とも関連するのだが、フェミニズムの台頭と、女性の社会進出によってもパワハラは加速した。これは、女性の社会進出が進んだことで、格差が広まったアメリカがいい例であり、日本の労働環境も既にかなり女性の社会進出により汚染されている。女性の多くは、パワハラ上司が気の弱い男性、自分の好みでない男性を苛めぬくことに寛容である。なぜなら、「キモイ」から。仕事が出来ようと、優しかろうと、キモイというだけで、雑用を押し付け、陰口を言い、過労死や自殺に追い込む充分な理由になると本気で考えている女性は沢山いる。これは昨今ネット上でも広まりつつある見識でもある。「パワハラ 女から男」で検索すれば、興味深い記事が読める。また、以前にこのブログでも言及したことがある通り、フェミニズムとは「強者に媚び、弱者を虐殺する」思想であり、ナチス・ドイツの優生思想にも通じるところがある。企業は社内で女性の立場を強くしすぎると、沢山の自殺者を生むことになる。いや、もう実際すでに、沢山の人が死んでしまっているが。

 

・「欲望」を抑えられないパワハラ上司、老害たち

 パワハラ上司や老害の多くは、承認欲求、自己顕示欲、名誉欲、金銭欲…そして性欲が異常なまでに強く、それを抑えることが出来ない人達である。今は、若い人達の方が、小さい頃から、苛烈な競争や教師によるいじめ、スクールカースト等に苦しめられ、優しい性格に育った人が多い。そしてそんな人達の多くが、趣味や内省により、「自分で自分を満足させる」手段を知っている。特に今は、インターネットが発達し、無料のブログや動画などでも、人生を充実させることのできるコンテンツが豊富にある。若い人達、様々な工夫で、自分の欲望に折り合いをつけることを、小さい頃からほぼ修行のような形で身に着けているのだ。ところがパワハラ上司や老害はそうではない。自分がチヤホヤされない原因を、自分の欲望が満足しない原因を、常に自分の「内」ではなく「外」に追い求める。「あの部下は俺をチヤホヤしない」「あの若い女子社員は何で俺と付き合わない」「何でみんな俺を~しない」。こういった心理からキレたり腹いせに部下に長時間労働を押し付けるのがパワハラ老害上司だ。彼らはいい年をして精神的に全く自立していない。シュタイナーは労働者は「精神生活」が重要だと述べた。それはいま多くの若い人達が無意識に実行している、「他人に忖度を要求せず、自分で自分自身の魂と向き合い、自分でそれを充足させることを学ぶ」ということなのだろう。それを知る人を「大人」といい、知らない人を「子供」という。ブログ「幻の桜」に「これからの時代のエンターテインメントはネットが中心になる」という言葉があった。つまりこれからの時代は「現実」で「他人」に「俺を楽しませろ」と要求する多くのパワハラ上司の「ガキ」な態度は通用せず、「インターネットという精神世界」で「自分自身」に自分を楽しませてもらう時代だということだ。「itスペシャリストが語る芸術」というブログにも似たような記事があったはずだ。興味のある人は読んでおいて欲しい。

 

・最後に:パワハラ被害に遭っている人達へ

 自殺だけはしないで欲しい。僕もいじめやパワハラで何度も死のうと本気で思った。今だって、死にたいと思うことは何度もある。フェミニストには日々殺されそうになっている。でも、生きて欲しい。ニートになろうが生活保護になろうが、最後まで生きて欲しい。パワハラ加害者は絶対に天国に行けない。精神が自立してない人は、死後に高次の世界に入ることは絶対に許されない。だから彼らは来世で、自分がしたパワハラの苦しみを今度は他人にされるという形で、罪を償うことになる。現世では成功してるかに見えても、霊的な清算は必ずしなければならないのだ。そしてもしも本記事が、パワハラ加害者の醜い胸中を晒すための一助になれたら光栄だ。あなたがもし被害者ならこの記事を読んで真実を知り、パワハラ上司と戦うための武器にして欲しい。本当の味方って、案外ネット上に沢山いたりするものだ。僕の沢山の、そうした人達に救われてきたし、これからも救われていくだろう。