徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

バカじゃなければ西村大臣じゃないだろう

 

「酒の提供を続ける飲食店に対して金融機関への働きかけを要請する」

 

 まず、この発言の意味がわからない。「何故そんなことを言ってるのか分からない」ではなく「何を言ってるか日本語として意味が通っていない」のである。意味が通じるようにするなら、「酒の提供を続ける飲食店に対して『の』金融機関『の』働きかけを金融機関『に』要請する」と言わなければ、「飲食店『が』金融機関に働きかける」のかと聞こえてしまう。大臣の癖に日本語が不自由でも、国民やマスコミはその意図を読み取って親切にも怒ってくれるのだから、大臣とは随分幼稚な役職である。多分大脳言語野に障害があっても務まるだろう。そして、このような意味不明な発言を、この常にニヤニヤ面のトカゲはずっとずーっと続けてきた。自粛に懸命に耐える国民をひたすらに煽り続けるかのように。

 

「もう誰も!こんな自粛要請出したくないんですよ!(逆ギレ)」

 

 自分達の都合で自粛要請を出しておいてこれである。曖昧な指示を出して部下がそれを実行できなかったらキレる無能上司のようなものか。そもそも何の意図を持ってこの発言をしたのか意味不明だから何かにたとえるのもすごく難しい。逆ギレするために逆ギレしたのか、逆ギレに相応しいポエムを必死に探し回った結果、この言葉に行き着いたのか。ポエムといえば、この男は他にも詩才に溢れた素晴らしいポエムをいくつも披露している。

 

「気の緩みが見られる」

 

 自分は神にでもなったつもりで、コロナが広まるのは国民の気が緩んだからで、自分はそれをかっこよく指摘するリーダーだとでも思っているのだろう。たしかに、勇敢な指揮官が戦場で部下にかける言葉であったならばピッタリだ。多分、何かの戦争映画にでも影響されたのだろう。残念ながら、日本は戦場でもないし、彼は勇敢とはほど遠い気の小さい指揮官なのだが。なんせ、自分の非を指摘された、「勘違いなさってる」とみっともなく喚くのだから。彼の素晴らしいポエムはまだまだ続く。

 

「神のみぞ知る」

 

 自分を神のように思っているのだから、自分の知ってることを何か言ったらどうなのだろう。正直に「どうなるか分からない」とただ言えばいいことを、一々国民を煽るためにうざいポエムに直さないと気が済まないのだろうか。ドラマや映画しかボキャブラリーがないのは分かったから、パワハラしてる時間をほんの少しでも読書にでも当てて、もう少し言葉を自由に使えるように努力したらどうなのだろう。

 

「勝負の3週間」

 

 これは多分、少年漫画か何かからの引用だろう。何が勝負なのか、どうすれば勝ちで、どうすれば負けで、何故3週間なのか、3週間が過ぎたらどうなるのかさっぱり説明がないまま3週間が過ぎ、すぐに再び緊急事態宣言が出された。全く必要のない発言であり何の役にも立たないが、詩才に溢れる西村大臣にとって大勢の前でこの言葉をかっこよく言う瞬間は、きっと最高の自己実現となったのだろう。きっと彼の中で自分は最高に優れた勇敢で聡明で雄弁な頼もしい経済再生のリーダーであり、状況に応じて素晴らしいポエムを国民の胸に刻むことができると信じているのだろう。

 

 さて、西村大臣の詩才の素晴らしさを讃えた所で、冒頭の問題に戻ろう。

 

「酒の提供を続ける飲食店に対しての金融機関への働きかけを要請する」

 

 日本語として破綻してるので理解するのが大変難しいが、優れた詩人の彼のことだから、きっとわざと文法を崩して主語や目的語を分かりにくくしているのだろう。必死に解釈するならば、「酒の提供を続ける飲食店には融資をしないように金融機関に要請する」と言っているのだろう。

 

 しかしこれは独占禁止法に違反するようなので、まさか東大法学部を出た西村がこんなことを言う筈もないだろう。しかし意味不明な文脈を必死に解釈するとそうとしか思えない。もしそうでないならば、「金融機関」などという言葉を持ち出す意味がまるでなくなるからだ。金貸しというのはとてもデリケートな問題で、金融機関と民間の飲食店との間の繊細な力関係に、第三者が薄汚い顔でニヤニヤしながら首を突っ込んでいいようなものではないのだ。とするとこれは間違いなく失言であり暴言で、西村大臣は何らかの責を問われるべきである。また、もし言ったことにそんな意味はないと後から弁解するのであれば、それは「私は普段発言する際は言葉の意味や重大性は何も考えず、ただその場の気分で思いつきをかっこつてけて話しているだけで、発言の結果にも国民がそれをどう受け取りどう解釈するかにも一切責任はないし興味もない」と言ってるのと同じである。会社でいうならば、曖昧で意味不明な指示を出して、いざ問題が起きたら「私はそんな指示出していない。勝手にやった部下が悪い」と責任を部下になすりつける典型的なパワハラ無能上司である。そしてそんなパワハラ無能上司は、部下の手柄は必ず横取りするのだ。西村も、部下に徹夜で資料を作らせて、その資料を元に記者会見を行なっているらしい。もっとも、会見の場であれだけ優れたポエムを披露するのであれば、横取りしようにも部下の努力も全て自分で水の泡にしてしまうだろうに。

 

 こんなゴミが経済再生大臣になれるとは、日本も堕ちる所まで堕ちたものである。昔の政治家も、バカで利己的だがもう少し発言に一貫性はあったし、ポエムもこいつよりマシなものを披露していただろう。こいつはネタとしての面白さも愛嬌も人間らしさも何もなく、ただ人を不快にさせることに全振りした厨房レベルの語彙力のポエムであり、まさに反知性主義ここに極まれりである。東大法学部を出ながら嬉しそうにバカさ加減をひけらかしているのである。こういうのを本当の意味で義務教育の敗北と言うのであろう。