徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

2023-05-06から1日間の記事一覧

セネカ 倫理書簡69 平穏と不穏について

1. 僕は君が居場所を変えて、ある所から別の所へと走り回ることは好みません*1。その理由は、第一にそのような頻繁な移動は不安定な精神の証だからです。そして、精神はそのような物見遊山や放浪をやめない限り、閑暇な生活を経て強固なものへと成長すること…

セネカ 倫理書簡68 英知と隠棲について

1. 僕は君の計画に賛成です。引退して閑暇な生活に身を隠して下さい。しかし同時に、君の引退をも、隠しておきなさい。これを行うにあたり、ストア派の教えにではないとしても、その先例に従うものであることがお分かりになるでしょう。しかし、君は彼らの教…

セネカ 倫理書簡67 不健康と、苦痛への忍耐について

1. ありきたりな書き出しをすると、少しずつ春らしい天気になってきています。しかし、暑い日になると予想される夏に近づいてはいるものの、まだ涼しさが続いており、まだ春という確信も持てません。この時期はしばしば、冬の天気に逆戻りしますから。いまだ…