徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

日記からの抜粋…自分の機嫌には自分で責任を

 

 幸福を自分自身に依存できない人間は、結局欲望に歯止めを効かせることができない…なぜなら他人の責任に機嫌が左右されてるから。

 気分は常に気紛れで、他人の一挙一動一言一句に落ち着きなく反応し、それが自分の幸福を約束してくれそうな内容なら舞い上がり、逆に自分の不幸の予兆になりそうならばこの世の終わりでもあるかのように悲嘆に暮れる…が、どちらの態度も間違いである。毎日のルーティーンは変えてはいけないのと同じで、毎日の自分の気分はそう簡単に変えてはいけない。自分の地道な努力で築きあげたものから生じる静かで控え目な満足感や謙虚な妄想ならまだしも、自分に宝くじが当たらないことで神を呪うような傲慢なことは決してあってはならない。しかし現実には、後者のような人間が大半で、そのことが悪徳だという自覚すらなく、度を越した他者への依存はますます深まり、ついには自己を失い心を崩壊させる…もっとも、どんなに心の病んだ人間であっても、最も下等な欲望に関する執着だけは、常に人並み以上に持ってるから不思議なものだ。