徒然なる哲学日記

徒然なる哲学日記

日常生活の出来事にたいする考察(セネカの倫理書簡124通の英訳からの訳を公開してます)

ブロガーは電子書籍を読もう

 社畜を抜け出して小説家になりたくて暫く紙の本を読んでいたが、いかんせん紙の本は持ち運びに不便で満員電車で読みづらく、しかも数ページしか読まなかった時の自己嫌悪というか「これだけしか読めなかったのか…」という落ち込み要素があるので、あまりいい思い出はないし、心なしか、頭痛がしてくるようか気がする。

 

 対してブログの記事やネットのコラムは紙の本でいう所の1〜2ページしかボリュームがないが、それでも新しい見解や同感できる意見などに出会うと、読了後に充分な達成感や満足感が得られる。キーワードで検索できる分、読みたい部分を積極的に選べるのでそこはやはりネット上の文章は圧倒的に優れている。

 

 紙の本にネット上の文章のいい所を取り入れたのが電子書籍だ。今読んでるページしか表示されないから、現在読み進めている内容に集中することができるし、気に入った箇所は簡単にハイライトできる。スマホ一つあれば沢山の本が読めるから、満員電車でもスキマを利用してじっくり読むことができる。電車でしかめっ面をしてるオッさんを見かけた時は電子書籍を読むに限る。こういう時にネットのまとめブログ等を読んでしまうと、大衆的でかえってストレスが溜まるものだ。

 

 電子書籍を暫く読んで気づいたことがある。それは、自分がブログで書く文章のレパートリーが圧倒的に増えているらしいということだ(気のせいかも知れない。が、以前ほど長文を書くことが苦痛ではない)。勿論、紙の本でも増やせるだろうが、紙で読んで電子媒体で出力するというのも、考えたら何ともおかしな話ではないだろうか?そして、電子媒体で読む方が、紙で読んでる時には気づかなかった大事な箇所に気付くのだ。

 

下の二つの画像を見比べて貰いたい。いずれもルドルフ・シュタイナーの名著「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」なのだが、上は電子書籍(ibooksiphoneにデフォでついてる)。下は紙の本(ちくま学芸文庫)である。

 

f:id:potemalu02:20200402175945p:plain電子書籍

 

紙の本f:id:potemalu02:20200402180103j:plain

 

 見比べて見ると、電子書籍は明るく、字が大きくて視野あたりの文字数が少なく読みやすい。対して紙の本は光の加減で妙な陰影がつき、しかも1頁あたりの文字数が多く字が小さい。

 

 学校の勉強でもそうだが、沢山の内容を短時間に過剰に扱うと、それだけ脳の情報処理は雑になる。逆に、じっくり、丁寧に、見やすい大きな文字でしっかり理解しながら熟読する方が、圧倒的に知識は身になるし、結果としてスムーズに読み進めることが出来て最終的には紙の本の方が早く読み終わることが多い。そもそも日常的に仕事や娯楽において電子媒体の文字をスマホやパソコンで読むことが多い現代人は、本も電子媒体で読む方がより右脳が活性化した状態で読むことが出来るのではないだろうか。電子書籍では理解が浅くなるという人もいるが、紙の本の方が読むことそのものに意識をとられて読んだ後に何も覚えてないということが多い。きっと、電子書籍の方がリラックスして読めると思う。

 

 寝転がってリラックスしながら読むことができるのも電子書籍のいい所だ。紙の本だと腕が疲れてとても無理だろう。それに、ブックカバーを強いられる紙の本はいちいち探すのも面倒くさい。読んでいると「読まされている」気分になる。

 

 とはいえ、紙の本もいいところがない訳ではない。まず、出版されてる本の種類は圧倒的に紙の本の方が多いので、内容も当然紙の方が深い。加えて、本屋で本を探す時のあの独特の気分の高揚感は、紙の本でなければ味わえないだろう。ネット上で探す時は、調べ物をするのと変わりない。しかし最近は、本屋で読みたい本もないだろうにしかめっ面してウロチョロするうっとおしいオッさんオバさんが増えた気がする。本屋という静粛な空間でやたら足音を立てたり人の背後に立ったり読みもしないのに棚を眺めている変態じみた人たちが多い。僕の気のせいかも知れないが。

 

 さてタイトルから大幅にそれてしまった気がしないでもないが、とにかく、ブロガーを目指す人にとって電子書籍での読者は非常に捗るということが言いたかった。電子書籍での読書に慣れると、通常の紙の本も理解しながら早く読むことができるようになる…気がする。とはいえ、こらからの時代、人類に貢献するのはやはり電子媒体の文章であろう。電子媒体の出力で成功を目指すなら、電子媒体の入力での学習が一番いいだろう。

 

最後に、紙の本を紹介しておく。

 

 いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか (ちくま学芸文庫)